SPECTRAL  DMC-15SS

■スペクトラル DMC-15SS スタジオ・プリアンプ


音楽再生に適した業界最高品位のプリアンプを手頃な価格で提供したいという エンジニアの決意と、妥協を許さぬ音質へのこだわりによって生まれた、音楽 再生の基準となるスタジオスタンダード・プリアンプ。 35 年という長きにわたり、スペクトラル社のエンジニアは高速プリアンプのデ ザインを進化させ、優れた音楽性に新たな価値を加味して他の追随を許さな い実績を築きあげた。その結果登場したのが最新のスタジオスタンダード・プ リアンプ DMC-30SSで ある。競 合 ひし めくプリアンプ 市 場 に お い て、 DMC-30SS は、その優れた操作部、電源部、高速出力ライン部によってプリア ンプの品質基準を新たなレベルに引き上げ、新しい音のベンチマークを打ち 立てた機種として広く支持を得た。 そして今、スペクトラルは、DMC-30SS の洗練されたデザインをストレートラ インモデル DMC-15SS にも展開し、画期的な電源部のトポロジーと先進の信 号制御によってコストパフォーマンスの定義を塗り替えた。不要な装飾を極力 排除しながら、エレガンスさをキープ。さらに最高級クラスのプリアンプに匹 敵する性能を驚くほどの低価格で実現している。その秘密はトップカバーを開 けると明らかだ。DMC-15SS は、卓越したスタジオスタンダード・プリアンプ DMS-33SS の伝統を受け継ぐマニュアル操作の後継機として、その優れた音の 透明感、高精度のコントロール、リアルな音楽再現性を維持している。


■不可欠なオーディオコンポ


プリアンプを経由せずにパワーアンプに直結するやり方をピュアでファッ ショナブルと推奨しているオーディオメーカーもあるが、細心の注意を払っ て音を聴いてみれば、この主張に何の信ぴょう性もないことは明らかだ。大 して想像をたくましくしなくても、今日の最高級オーディオ機器ですら、高 性能プリアンプが果たす複雑な役割を担えるように設計されていないことは 明白だ。インピーダンスマッチング、ゲインの最適化、フィルタリング、シ グナルバッファリングをはじめ、プリアンプが果たす重要な役割は数限りな い。どれも無視できない重要な機能だが、一方でピュアな音の再生を犠牲 にすることは許されない。コンポーネントチェーンの下流でおこる変動要因 と異なり、プリアンプのクオリティの違いは最終的な音質の明らかな違いと なって現れる。 高品位の音楽システムで可能な限り良い音を出そうとすれば、プリアンプの 性能は極めて重要な要素となる。DMC-15SS が最高基準を満たすように開発 された所以もそこにある。ハイエンド機器の設計者は、得てして平凡なデザ インや回路を使って低価格モデルを作り上げるものだが、スペクトラル社の エンジニアは、高評価を得ている DMC-30SS リファレンス・プリアンプのデ ザインとトポロジーを DMC-15SS にも惜しみなく投入。言い代えれば、DMC-15SS は DMC-30SS のレイアウトと回路構成をそのまま継承する「スト レートライン」版リファレンス・プリアンプであり、同時にマニュアルのアッ テネーターとボリュームつまみを搭載した DMC-30SS の「シングルエンド」 版と呼ぶこともできる。しかし信号の解像度とリニアリティに関してはわずか な 妥 協 も な い。何と言っても、リファレ ンス・プリアンプ の 最 高 峰、 DMC-30SS と共通の増幅回路とレイアウト構成を採用しているのだから。


■音楽への敬意


スペクトラルの全製品がそうであるように、DMC-15SS もまた、複雑で不要 な装飾を可能な限り排除し、機能的でエレガントなデザインに仕上げられ ている。このシンプルでバランスの良い印象は、DMC-15SS の内部でも維 持されている。考え抜かれた基板レイアウト。そして測定器レベルのクオリ ティを持つパーツの数々。DMC-15SS のレイアウトデザインは一見、単純 に見えるが、その実、何世代ものモデルを生み出し続けた開発実績をベー スに、何百時間ものチューニング調整を重ねて生み出した理想の音質と回 路である。これほど吟味され、厳格なテストを繰り返し、細部まで作りこま れた製品は極めて少ない。この究極の回路性能を実現するため、スペクト ラル社のエンジニアは、独自の「マイクロディテーリング」手法を採用して いる。「マイクロディテーリング」分析により回路の挙動をじっくりと見極め た上で、思い付く限り最高のレイアウトとチューニングの組み合わせを編み 出した。これにより、複雑な信号で発生する微かなノイズや歪みも排除して いる。さらに、素早い音の消えと立ち上がりを得るためにエネルギー蓄積 の最小化を図るなど、徹底して高感度回路の特徴を追求している。長い年 月を経て、我々はこうしたディテールが、脚色のない透明な音を再現する ために欠かせない要素だという認識に到達した。結局のところ、究極のプ リアンプとは忠実な再生装置でなければならない。たとえどれほど録音を魅 力的にできるとしても、「楽器」のような音の脚色は不要だ。


■新型フローティング電源


近年、音楽再生システムやホームシアターの大型化、複雑化が進み、他の コンポーネントや周辺音源からのノイズの干渉を排除する必要が生まれた。 最も一般的なノイズの伝搬は、大型アンプやビデオ機器等で発生する高調 波歪や残留ノイズが電源コードを介して伝搬するケースである。一方、信 号ケーブルを通して混入する高周波デジタルノイズもまた、さらに音質の 低下をもたらす要因となる。そのため、SDR-4000 Pro や DMC-30SS 専用 のフローティング電源(バッテリのような電圧レギュレーター)が開発され、 電源ラインや AV 音源で発生するノイズのアイソレーションに効果を発揮し てきた。高密度のコンパクト構造と電気的に開放状態の回路特性がバッテ リー等に優るピュアなフローティング電源を実現し、小型電池に匹敵する安 定した電圧を増幅回路に供給できるようになった。さらに、フローティング・ シャント・レギュレーターは電池と異なり、高域、低域いずれのノイズ源の 切り離しも可能で、外部ノイズや、増幅された残留ノイズの混入もシャット アウトできる。このアイソレーション機能により、高級クラスの音響システ ムの性能をアップするとともに、DMC-15SS 自身の性能も制限されることが ない。ACライン用アイソレーション機器を使って遮断できるノイズもあるが、 こうした機器の使用は予測不能な副作用や付加的歪みを発生する可能性が あり、問題が多い。スペクトラルの「フローティング電源」は、音の脚色や音質調整を伴う外付けの AC 電源コンディショナーに優る内蔵型のノイズ抑 制システムであり、まさにノイズ・アイソレーションへの理想的なアプロー チといえる。


■新開発 SHHA テクノロジー


新開発の SHHA(スペクトラル・ハイスピード・ハイブリッド・アンプ)モジュー ルは、スペクトラルの広帯域・高速セトリング・ディスクリート回路トポロジー を性能と信号リニアリティの両面で新たな高みへ押し上げた。スペクトラル のエンジニアは、新しい高度なディスクリートコンポーネント技術を用いて、 最適化された高密度表面実装トポロジーを開発。信号の高速化と超ハイス ピードの信号消滅を可能にした。新しい 100% FET ベースのトポロジーの 小型化により、クロスカプリングやノイズのアイソレーションが改善され、 画期的な静音化を実現している。SHHA モジュールのコンパクトなデザイン からすれば、その高パワーは驚異的ともいえる。1MHz という高域でフルパ ワー再生が可能で、さらに最大出力電流 1A という高スペックは、まさに高 電流パワーハウスと呼ぶにふさわしく、ヘッドルームと駆動力においてもプ リアンプ・ライン・セクションの新たな基準を打ち立てたと言える。


■妥協なき減衰


プリアンプのハイエンドモデルにおいては、ある種のデバイスがその性能を 決めるカギとなる。プリアンプとは要するに調整可能なラインアンプであり、 そのため音量調整やゲインアッテネーターの役割が非常に重要で、最終的 な音質に大きな影響を与えている。今日、高級クラスのプリアンプのほとん どが、ゲインコントロール用に IC を用いた各種デジタルアッテネーターシス テムを搭載しているが、機械式のボリュームつまみやスイッチ、リレーアレ イを使ったモデルも、わずかだが存在する。我々の経験からすれば、これら のアプローチはすべて、音の透明感、ダイナミックレンジ、分解能、あるい は信頼性のいずれかを犠牲にしているといえる。最新のオーディオ機器にお いては、デジタルアッテネーターの使用が一般的だが、どんなに優れたシ ステムでも元の音になんらかの脚色を施している。スペクトラル社のエンジ ニアは長年にわたってデジタルアッテネーターや DAC アッテネーターを研 究し、その結果、これらのゲインコントロールの中に、クリティカルな録音 用途はもちろん、ハイエンドのプリアンプ使用に適したものも存在しないと いう結論を得た。切換えスイッチ機構を用いた抵抗減衰器は、デジタルコ ントロールのいずれと比べても、音質面で遥かに優っていることが分かった が、これらの機械式の調整ボリュームはダイナミックレンジや接点寿命の点 で難点があった。さらに重要な点は、連続可変ゲインが必要な場合には、 現実的な選択肢となりえないという事実である。デジタルアッテネーターが 音の透明性で劣り、ステップ可変式の抵抗器を使ったアッテネーターでは、 ステップサイズ、接点の寿命、ダイナミックレンジが制限される。こうしたことから、理想的なゲインコントロールは連続可変式のポテンショメーターか、 フェーダーといわざるを得ないが、残念なことに、現在入手可能なポテンショ メーターやフェーダーは、音の透明性やリニア特性の点で最もクリティカル なオーディオゲイン調整のレベルに達しているとは言い難い。


■独自のスーパーフェーダー・テクノロジーを開発


既存のゲイン・コントロールシステムの課題に対処するため、スペクトラル のエンジニアは航空宇宙業界の大手コントラクターと組んで開発を進めてき た。こうした長年の努力の結果、超高精度のゲインコントロールが誕生した。 スペクトラル独自の「スーパーフェーダー」は、高品質の材料を惜しみなく 使用し、高精度の機械式コントロールと高度なマテリアルサイエンスの融合 により、理想の抵抗器を無数に使用したシステムに匹敵するスムーズな音 量調整を実現した。最重要可動部には、貴金属を精密加工した部品を使用。 微細研磨加工を施して表面を超平滑化した抵抗素子にフィットするようワイ パーの全面にスプリング圧をかけている。こうした理想的なメカニカルデザ インとアラインメントにより、循環電流による局所的な熱発生を防いでいる。 純度の高いメタル接点が、他の操作部に使用したメッキ部品で発生する半 導体シリコンや接合部の歪みを排除している。こうした精度や厳選素材への こだわりが、測定不能なほど低レベルのノイズやエラー、さらに極限近くま で向上した温度精度といった信号テスト結果として表れている。さらに、カ スタム素子と玉軸受構造の採用により、4000 万回使用後も優れた性能の維 持が可能になった。「スーパーフェーダー」は既存のあらゆるゲイン調整シ ステムに優る半永久的な長寿命を実現している。これにより、ボリュームつ まみをワイヤーに替えたような新次元の音の明瞭さと透明感を満喫できる。


■スタジオスタンダードのプリアンプ


スペクトラルの創業者たちは、一切の妥協を許さず、真伨にハイエンド・オー ディオ機器にふさわしいデザインを追求してきた。相対主義と歩み寄りが重 視されるこの時代にあっても、正確な音の再現こそがレコーディングの再生 にふさわしく、真に音楽的価値を持つという信念の下、開発を進めてきた。 スタジオスタンダードとは、録音されたソースをその場で再生してチェック するために使われるプリアンプで、DMC-15SS はこの理想を高レベルで体 現した製品である。ライブ録音状況下での厳しい試験を経て、音楽業界の 基準となりうる真のスタンダード機が誕生した。録音された音を忠実に、何 の脚色を加えずにありのままに再現する、我慢強く本物を追求する、耳の 肥えた真の音楽愛好家のためのプリアンプ ---- それが DMC-15SS である。 一晩かけて新しい DMC-15SS が醸し出す音空間を満喫してほしい。きっと あなたも、お気に入りのレコーディング音源のもたらす新たな息吹と表現 力を再認識するはずだ。



■DMC-15SSの仕様

 

入力:RCA×6、TAPE IN×1

出力:RCA×1、TAPE OUT×1

寸法・重量:W48.3×H10.4×D31.1cm・11.8Kg

定価:920,000円(税別)

※2016/11現在の価格です。

※生産完了品です。